四段論文 初心者の指導法

 

              諏訪道場  鯨岡 健人

 

 何事も他人に教えるということは大変難しいと思います。特に初めて合気道の稽古を行う方に技術的なものだけではなく、武道の持つ精神的な意味を理解してもらうことはさらに困難だと思います。合気道に興味を持った理由は人それぞれ違うと思いますので、初心者の方には個々の知識や経験に出来るだけ結びつく事を探りながら、より深く興味を持ってもらえるように伝えていきたいと考えています。そして次第に精神面との結びつきを理解してもらうことで技術面に対しても肉付けがされていくのではないかと思っています。

 

 

 

私にとって指導は、先生や先輩方から教えて頂いたことを「伝える」という思いで、一緒に考えながら稽古を繰り返し、継続していくことで自分自身も学んでいくものと思っています。私自身、技術・理論において確立したものはなく、どの技においても迷いがあります。しかし、今現在出来る限りのことや知る限りのことを伝えようとして話をしていくと様々な発見があり、新しい事に気付くことがあります。そのような時に自分自身が少し前進、成長したように感じることができます。そして未熟ではありますが、惜しまず伝えようとした事に充実感を得る事もできます。自分で気付くことができなければ他人に気付かせることもできないということを痛感します。

 

 

 

 今後も継続して稽古を行っていこうと思っていますが、理想の形に達することはかなり難しいということを、稽古をすればするほど感じます。しかし、できないながらも理想の形をイメージする事に努力、集中して、微力ですが出来る事を精一杯伝えていくうちに、誰かがその理想形を実際にできるようになれば、伝えた意味があったということになるのではないかと考えています。そして自分がその道の途中にいる事に価値があり、日々の稽古に満足感を感じる事ができると思っています。自分自身も技術向上に精進して、少しでも話に耳を傾けてくれる方がいれば、ともに成長していきたいと考えています。