参段受験課題
合気道の稽古で得たもの
諏訪道場 鯨岡 健人
合気道を始めて十年が経過し、振り返ると本当に早かったと感じています。
これまで無事に稽古が出来てきた事に、諏訪先生をはじめ多くの皆様に感謝をしております。
稽古を重ねるたびに、出来ない事の多さに落胆すると同時に、出来るようになるための方法を考える事に楽しさを感じています。
稽古をつけて頂く時、先生と同じ形をまねても、同じように上手に技を掛けることができません。
出来ない理由はたくさんあるのですが、一番難しく感じられる事に、『間合』の取り方ということがあります。
相手によって、体格、腕力、柔軟性といった、様々な違いに順応した間合を取る事は、とても難しい事だと思います。
しかし、稽古で間合を意識する事は、技の伝わりを通して相手とのつながりを生むと考えます。
相手の腕力や体格といった見た目と同様に、感情や性格といった内面にも配慮する事により、技のつながりも良くなり、
点から線へ、直線から曲線へと円滑に動けるようになり、動きに流れを生み、動作を滑らかにしていくのではないかと考えます。
力と力の衝突を避け、適正な間合を保ち、つながりを作れるような技術を身につけたいと思っています。
技のつながりや力の伝わり方を意識した間合は、自分を取り巻く周囲との関係を良好に保つため、
人と人との『間合』を作るという事に通じると感じております。
近すぎず遠すぎず、相手との距離が適正である事は、日常生活の人間関係と、とても似ていると思います。
私は合気道の稽古において、間合の取り方を探ると共に、人間同士の距離感というものが必要な時には近く、
そうでない時には距離感を取って見守れるような努力をしていきたいと考えます。
合気道を通して知り合えた方々とは、稽古において技を掛けあうというだけのつながりではなく、
人間関係の輪を広げ、お互いに協力し、助け合える様なつながりを持っていきたいと思っております。