2021.3.20

合気道の稽古で取り得た事

仙川道場 中﨑英寿

 

私は子どもクラスで8歳から稽古をはじめ先月で13年目を迎えました。中学生から大人クラスに上がり、高校生になった時には黒帯をいただくことができ、さらにありがたいことに子どもクラスで指導をさせていただく機会をいただきました。それから6年間子どもクラスで小学生の子ども達に合気道を教えてきました。子どもクラスで合気道を教えるのは大変難しく、今でも子どもたちに教えるたびに学びがあります。時には頭を抱えることもありますが、その時間がとてもたのしくもありました。その経験があって私は今教職に就きたいという夢につながり今に至ります。私にとって合気道はたとえ週一回の稽古であったとしても、人生になくてはならない要素の一つであります。

私は合気道を続けてきて、決して子どもたちだけに合気道を教えてきたわけではありません。私より後に入ってきた私よりも一回りも二回りも年が上の方にも教えてきました。そして教えるだけではなく、稽古を通じて切磋琢磨し汗を流してきました。このような経験の中で私は合気道でしか得られないものを得ました。それは相手を尊重し共に学ぶという精神です。合気道は他の武術と違いたとえ稽古相手でも空手のように競うことはありません。お互いにあるのはただ技を磨くという目的です。その目的の中で相手を尊重すること、私はいつも稽古の中で相手の技術や体の体調に気をかけ怪我をさせないことに注意しています。また、尊重とは教えることにもつながってきます。合気道は決して一人でできるものではなく相手が必要です。また、時に私たちは教えることによって学ぶことが多くあります。これも相手がいなければ成り立たないのです。相手がいるからこそ自らの学びにつながっていることを実感していかなければなりません。教職を目指す私にとってこれ以上にない学びでした。

私がこれまで合気道を続けてこられたのも諏訪先生をはじめ、子どもクラスの時から一緒に稽古を行ってきた皆様のおかげです。これからも合気道ができる事に感謝して稽古に励んでまいります。