合気道の稽古で取り得た事

 

                                     足達 怜

 

私が、合気道の稽古を通じて取り得たことは、「伝え合う稽古」です。

 

私は子供の頃から合気道の稽古を続けてきました。子供クラスでの稽古、進学、就職と、人生の節目節目に稽古の場所を変えてきました。時には研修先の道場で一度きり稽古に通ったこともあります。様々な場所で、様々な先生、稽古仲間と稽古してきて、合気道にはひとつの道だけでなく、人によって稽古や技のかけ方に様々な道を持っていることを学びました。体の転換や呼吸法、四方投げなど、基本的な技の形は別の道場でも通ずるところがありますが、技を習得するまでの足の運びや決め方には、先生によって考え方が違う、ということが、多くの道場に通ってきて感じたことです。

 

 ただ、技へ至る過程が違うことは、別の道を学ぶことではありません。沢山の教えの中から自分にあったやり方を習得して、自分なりの道を見つけることが、合気道を学ぶ上で重要なことでした。ひとつの考えに相手の考えを理解し合う、それが私の合気道で取り得たことです。

 

 現在、稽古を続けていても自分の理解がまだまだだと、未熟に感じる場面が多くあります。幸いにも合宿や演武大会など、自分の道場だけでなく、他の道場との交流も多くあります。自分の知らない技、稽古に触れ、また、持っている知識を相手に伝え、自分なりの道を広げながら今後も稽古を続けていきたいです。