参段受験課題

 「指導者の心得」

    諏訪道場   山口 淳史

 

 私の考える「指導者の心得」は、以下の3つとなります。

 1.他者を怪我させない事

 2.正しく伝える事

 3.自身の鍛錬を怠らない事

 

 1.「他者を怪我させない事」

  皆がそう思いながら稽古している事と思われますが、指導する立場となったならば、より意識する必要があると考える。なぜならば、指導者はある程度の強制力を以て技の指導などを行い、受け側はそれを何とか実行しようと無理をする可能性がある為、結果として怪我をしやすい環境が出来上がってしまう。指導者は強制力を持つ反面、受け側の安全を担保する事が必須と考える。

 

 2.「正しく伝える事」

  非常に難しい事ではありますが、諏訪先生や諸先生、諸先輩方から教えていただいた「技」や「理屈」などを自身の中に蓄積し、そのノウハウを指導の際により正確に伝えていく事が必要と考える。

  人が介在する事により物事は微妙、又は大きく変化する。これは仕方のない事といえるかもしれないが、合気道の指導者心得と考えた場合、幾代にも連綿と続いてきた技能を出来る限り受け取ったそのままの状態で他者へ伝えていく事が私達の責任と考える。

 

 3.「自身の鍛錬を怠らない事」

  私自身の社会経験上、指導者といえど、「自身の鍛錬を怠らない事」が必要と考える。

  私は自動車関連の専門職に付き、経験を得たのち技術指導を行う立場となった。その時は、ひたすらに自身の役割をこなすことを考え、また経験してきた事をほぼリアルタイムで指導する事が出来たため、特に不安を感じる事はなかった。しかし、時間の経過に伴い他に対応しなければならない案件も増え、いつしか自分自身のスキルに不足を感じるようになっていった。

 

仕事も合気道も同様に、指導者だからこそ自身の置かれた環境に左右されることなく、日々坦々と稽古を行い技術・技能の鍛錬を行っていかなければならない。

 

 最後に

 私が合気道諏訪道場に入門してから凡そ10年が経ちました。直近では新型コロナの影響で3ヵ月間ほど稽古をできない時期もありましたが、漸く今回参段の昇段審査を受ける事となりました。これまでご指導いただいた諏訪先生をはじめ、諸先生方、諸先輩方、諏訪道場の皆さんには大変感謝しております。この先更に10年、20年と体が動く限り合気道の稽古をしていきたいと考えていますので、引き続き宜しくお願い致します。