有段者の心得

                                      諏訪道場 奥平康太郎

合気道の有段者は、多くの修行と経験を積んできた者であり、心身の成長と技術の習得を重ねてきた存在です。有段者としての心得は、技術だけでなく、精神的な側面も含まれています。

まず、有段者は謙虚であることが重要です。合気道は無限の道であり、学び続ける姿勢が大切だと考えます。自らの技術に満足せず、常に向上心を持ち続けることが必要です。また、他の人への教え方にも謙虚であることが求められます。傲慢さを排し、相手の立場に立って理解し尊重する姿勢が求められます。

合気道の有段者は礼儀正しくあることが求められます。稽古や試合において相手の尊重とお互いの信頼を築くため、礼に始まり礼に終わる態度が大切です。挨拶や礼儀作法を厳格に守り、他の武道の有段者や人々との交流においても気配りを忘れずに接することが重要です。

有段者は冷静さと忍耐力を養うべきです。試合や実践の場で、相手の攻撃に対して冷静に対応し、自己の感情に流されずに技術を発揮することが必要です。また、合気道の修行は容易なことではありません。困難に立ち向かい、途中で諦めずに忍耐強く取り組むことが重要です。

有段者は精神統一を追求すべきです。自己の内面を理解し、心と身体を統一することで、技術を高めることができます。合気道の修行は、単なる技の習得だけでなく、心の成長も含まれているのです。自己の心身を洗練させることで、他の人々との調和を図り、より深い理解と洞察を得ることができます。

合気道の有段者は技術だけでなく、謙虚さ、責任感、礼儀正しさ、冷静さ、忍耐力、そして精神統一を持つことが求められます。これらの心得を大切にし、日々の稽古と人との交流において実践することで、より一層成長し続けることを目標に頑張って行きたいです。